Taiga

アメリカン・ヒストリーXのTaigaのレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
4.0
ショッキングだし、割と無慈悲なラストはこちらを突き放してくるようで心抉られるけど、ダイバーシティな今の日本こそ観ておくべきだと感じる。

ネオナチ×白人至上主義であるデレクは、父親を失くしたやり場のない怒りの矛先を有色人種に向けただけであり、根っからのレイシストではないことが分かる。

だが、少年時代に父親の見え隠れする差別意識が彼に影響を与えてしまったのも事実。

差別を無くしていく上で重要なのは、撤廃運動を推進させるだけでなく、次の世代の差別意識の芽を摘み取ることにこそ鍵があると思った。
その鍵が故の撤廃運動でもあるんだけども。

何処で生まれたか、何色の肌か、染色体の種類、etc...
SNS文字だけの差別。
身近にも数多存在する。
皆やり場の無い怒りを自分とは異なる社会集団に向けてるだけ。

罪を憎んで人を憎まず。

この後、彼は再び怒りによる惨禍に見舞われるかもしれないけど、そうでないかもしれない。
本当に強い心を持ってないと実行できないけど、そう有らなくちゃいけないと思う。
Taiga

Taiga