あおは

ゴジラ-1.0のあおはのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

重低音上映で観てきた。
胸の奥と腹の底にどんと響く音。最初から最後まで迫力がすごいし、過去と戦う人間の気持ちも拾い上げているし、心にも響いた。

ゴジラが島で初めに襲いかかってくるときは、儚い人間の生命の前に立ちはだかり容赦なく襲いかかる自然の猛威に似たものを感じた。人間という生き物の切なさと儚さ。
そういう小さな人間が、なぜ生きるのか。
少し残念だったのは島でゴジラが現れたときの整備兵たちの反応。もっと呆気にとられてほしかった。恐おののき、立ちすくみ、現実を受け入れられないほどの恐怖を表現してほしかった。少し説明的すぎるのが気になった。

もうひとつ気になったのは、海のなかでゴジラが立っていたけれど、ゴジラが沈んでいくほど深い海で、どのように立っていたのか。そこが気になった。

作品のなかで、人は人の役に立っている実感に生きている意味を見出すのだなと思ったけれど、戦争や特攻隊はそれが行き過ぎたもので、人のために死ぬことが正しいのかどうかということを問うている気がした。

印象に残っているのは橘さんが敷島に
「生きろ」と言うシーン。
肩に手を置いて、力強く。
あの一言で敷島の過去のすべてが救われるような気がして、一気に感動が押し寄せてきた。
それも敷島が自分の過去と逃げずに向き合う覚悟を決めたから、それが橘さんの心にも響いたのだと思った。

人々がゴジラに勝てたのは、敷島が過去を赦してもらい、自分を赦して、大切な典子がいない世界でも生きていく勇気を持てたから。

ラストで典子が生きているのは何となく予想できたけれど、再会するシーンでは感動した。やはり死を持って貢献したり償ったりするのは違くて、そこでこそ過去と向き合って生きることこそが強さなのだと思った。

キャストも豪華で、特に神木くんの演技がとても嵌っていてすごく好きだった。

とても迫力があっておもしろかったし感動した。
あおは

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