あおは

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)のあおはのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

やっときたぁ!!! 初日に2回観てきた!!
今年は何回観られるかな。

(※しばらく自分語りなので、感想は下の方にスクロールしてください😅)
自分にとってコナンは学生時代の五稜星(みちしるべ)。
工藤新一になりたくて、中学生のときの夢は本気で名探偵だった。ミステリーが好きでホームズオタクで、サッカーが上手くてクールで少しキザで、でも感情的でカッコつけていて、音痴だけど絶対音感があって癖のあるバイオリンの弾き方をして、レモンパイが好きでレーズンが嫌いで、蘭という空手をやっている幼なじみがいて、両親は世界的なミステリ作家と女優。
すべてを真似しようとしてホームズや江戸川乱歩を読み漁っていた。サッカーをしたり、音楽でわざと音痴に歌ったり、絶対音感があるフリをしたり、親に小説を書くことを勧めたり、空手をやっている同級生の女子を見定めたり、性格も完全に工藤新一に寄せていって、今思えばかなりイタイことをしていた(泣)。
そこからミステリー小説にハマっていき、今では工藤新一ではなく工藤優作を目指して小説を書くようになっている。
それだけ人生に影響を与えてくれたコナンだから、映画を公開してくれるというだけで、☆5なのだけれど、感情だけではなく客観的な視点も交えて感想を書こうと思います。

まず、コナンらしくないスタートだなと思った。歴史映画を観ているのかと思うような、戊辰戦争の説明が文章で出てくる。
「どうした? なぜ足を止め、勝機を逃す?」
予告からあった土方歳三の渋い声。その渋さと重みに息が止まるような一瞬が訪れ、グッと引き込まれる。
町田正徳から星稜刀を託され旧幕府軍が踏み込んできて、返り討ちにする土方歳三。屏風越しに敵の腹を刺し抜き、その跡が光ったと思えばコナンがこちらを覗いている演出。
いきなりカッコよすぎて唸りそうになった。

工藤優作に工藤有希子、中森警部に青子、大岡紅葉に伊織無我、阿笠博士に少年探偵団のみんな、沖田総司に鬼丸猛。流石に黒の組織や赤井さん、安室さんは出てこなかったけれど、青山ファミリー全開でそれぞれがそれぞれの役割を持って出てきていて、全員に見せ場を作る書き分けもお見事だと思ったし、とても楽しくて、胸熱シーンがたくさんあった。

黒い犬みたいな仮面を被った謎の人物にキッドが襲撃されるシーン。
かなりの剣さばきをみせる敵にキッドがやられそうになった瞬間の服部の登場。ベタにこういうの好きだねぇとは思ったけれど、3人で連携して倒そうとしていたのには胸が熱くなった。やはり剣士としてしっかり強い服部がかっこいい。
そのあとキッドとかなりリラックスした状態でお互いのことを話すところは笑えた。
この仮面を被った謎の男の襲撃は一度きりだったけれど、かなり見た目としてインパクトがあったし、お話をさらに盛り上げるためにももっと出てきてほしかったなとは思った。
キッドとも別れて服部とコナンが2人でバイクに乗るところで、服部はキッドの顔と声が新一そっくりであることをコナンに告げる。このときのコナンの反応で、コナンはその訳を知っているんだなと分かり、今作で明かされるキッドの真実とは何なのかと心が踊った。

福城家の玄関前で服部と聖が対決するシーン。一瞬の見合いで特に何か動作を起こしたわけではないのに、お互いがお互いを実力者だと見抜くところも痺れた。
というか、福城聖という名前の音が、るろうに剣心に出てくる雪代縁にしか聞こえなかった(笑)。

星稜刀が入っているはずの箱を取ったコナンと服部がバイクで街中を逃げているとき、ワイスピのオマージュかなと思うところがあった。路面電車に箱が巻き込まれる前の坂を下っていくところで、車がバイクを追っていき、坂と平地の緩急でバウンドするのがワイスピ1のブライアンがバイクの男たちを追っていくところに見えた。

カドクラが拓三を射殺しようとしたところで、咄嗟に拓三を庇って覆い被さる中森警部がカッコよくて、肩と背中を撃たれたところは結構ショックを受けた。死なないだろうなとは思っていたけれど、まじっく快斗シリーズから威勢の良い中森警部をずっとみてきていたから心が痛かった。
ICUに入っている中森警部が目を覚ますところでキッドが青子の後ろでホッと息をついていて、その後ろ姿を山添刑事が見ているところも1回目は怪しいなこの人と思うだけだったけれど2回目みたときは心が熱くなった。今回のゲスト声優である大泉洋が演じた山添だからただの刑事では終わらないだろうなと思っていて、最初は声が大泉洋すぎて笑ってしまったけれど、所々にあれ? と違和感を抱くように配置されていて、悪の側の人間かなと思っていたけれど、ラストでまさかの衝撃。

黒羽盗一生きてたのかあぁ!!!!!

異次元の狙撃手なみの衝撃。本当に叫びそうになった。
しかも山添がキッドの後ろ姿を見てニヤッと笑ったということは、盗一が息子である快斗の姿を見て気づいてニヤッとしたということ。あのシーンが持つ意味に気づいた瞬間、電撃が走った。
また山添の違和感として描かれていたシーンで、巫女さんが山添に話したいことがあると言うところでも、山添はあの二人に話しておいてくださいとコナンと服部に目をやる。ここもおかしいなぁと思っていたけれど、後々思えば盗一がコナンと服部を信頼しているということなのかなと思って、なんだか喜ばしい思いになった。
エンディングで青子のスマホにば快斗の名前が映るところもニヤニヤしました。

五稜郭でコナン、服部とカドクラが対峙するシーン。
気球のアガサ号が飛んでいくところは吹き出しそうになった。
「刀なしに宝の在り処をつきとめられるかって?」
「まぁ、みてなって」
かっこよすぎて震えた。やはりコナンのかっこいいところってこういうところなんだよなと思う。これは今作のなかでいちばん好きな場面だった。
ここで今回の事件の全貌が2人の口から明かされるわけでけれど、1回観ただけだとすべて把握するのが少し難しかったなあという印象で、2回目でようやく完全に理解できた。
キッドがカドクラの起爆装置を奪うところにはじまり、沖田が現れ、服部と呼んで刀を渡すところ、本っ当に痺れた。この五稜郭でのシーンが映画全体でいちばん好きだったかもしれない。京極真みたいな半端ないやつ登場かと思えば鬼丸猛が敵をボコボコにしているし、沖田の三段突きも超かっこいい。

五稜郭の後はコナンと服部はそれぞれ別々に行動し、それぞれが見せ場とツッコミどころを持っている(笑)。でもすべておもしろいから良いで気にならないのがコナンなのです。
コナン側で言えば、スケボーでチェイスをするコナンを発見した紅葉が「伊織、援護や」と言って、伊織が「かしこまりましたお嬢様」の一言をかました後、スタングレネードを戦争かと思うほどに投入していくところは映画一吹き出しそうになった。
やはりでも今回のメインは服部とキッド。
セスナの上での戦いも有り得ないだろと心の中でツッコミつつも、心打たれるセリフやシーンもあった。
聖が医者の夢を忘れてしまったと言ったあとの「忘れんなや、アホが」という服部のセリフ。自分のすべてを見失いそうになっても服部のこのセリフを聞けばすべて見つかるような気がするくらい自分は好きなセリフで、セリフもそうだし服部の声の感じが哀しみを含んでいるようで深くて重くて、染み込んできた。
服部と聖の対決もお互いに一息見合ってから一瞬で決着がつき、この演出もとても良かった。

100万ドルの夜景と言われる函館山で服部が和葉に告白するシーンは、映画では結ばれないだろうなと思っていたから邪魔が入ることは分かっていて、スタングレネードで和葉の耳が聞こえないところまでも予想できたけれど、服部が好きだと言った瞬間に和葉が涙を流し、そのままaikoのエンディングだったから、えっえっえっ、言った!?!?!? 伝わった!?!?!? と興奮が走り、やっと言えたねと服部を抱きしめたくなる一方で、やっと言ってもらえたねと和葉も抱きしめたくなり、思わず涙が溢れてきた。と思ったら、やはりスタングレネードか! 涙を返してくれと思った。映画で結ばれてくれても良かったって。青山先生なりに考えている2人の結ばれ方があるのだろうから、それはそれで楽しみにしておきます。

紅葉のネイルが紅葉なのも見逃しませんでしたよ。前作はベル姉さんのネイルで、今作は紅葉のネイルですか。まぁ話には関わってこないけれど。

北の地でお宝を巡り拓三、カドクラ、キッド、コナン平次たちが奔走し、しかも土方歳三が絡んでいるというところに、少しゴールデンカムイを感じた。

園子の本や聖の刀の音など、伏線もたくさん張られていて、そこもお見事だった。

居合いをやっている人を手の傷で見抜くというのは、以前にも原作で出てきている見抜き方だったから、そこに新しさが欲しかったなぁとは思った。

キッドのシーンの音楽が結構ポップな感じでハロウィンっぽくて自分はあまり好きではなかった。

来年は孔明っぽい。大和敢助っぽい声もしたから長野が舞台で長野県警が出てくるのかな。スコッチの話が出てきたら嬉しいな。
あおは

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