アーリー

ゴジラ-1.0のアーリーのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.2
2023.11.29

山崎貴監督作品。ゴジラ関連で観たのは「シン・ゴジラ」だけ。

戦後も戦後の1947年が舞台。ゴジラを倒すという大枠の中に、終戦直後の人々の暮らしや思いが描かれる。
自衛隊発足前、警察予備隊よりも前?日本に軍隊がなく、アメリカはソ連との関係悪化を避けるため軍隊派遣せず。だから民間でなんとかしないといけない。戦争が終わったのにまた命を賭けないといけない人。主人公の敷島は戦争中の出来事から、自分の中で戦争が終わっていないと感じている。そんな心情を神木隆之介がしっかり演じていて良かった。

映像は圧巻。ゴジラの恐怖、破壊される街、逃げ惑う人々。光線が銀座の街を破壊したシーンは核爆発を思わせるような描写になっており、ゴジラの存在理由を考えさせる。ただ今作は戦争そのものに焦点が当てられていて、アメリカによる広島、長崎への原爆投下については一切触れない。なんかの核実験?がゴジラを一つ上の次元の生物に変えたようなシーンが一瞬入るけど、それ以前にゴジラが存在していること自体がびっくり。核関連で生まれた生物じゃなかったっけ?今作のゴジラはどういう生まれなんやろう。

このご時世において、浜辺美波の扱いが女性軽視に当たるのではないかと変な心配をしてしまう。完全に「男」を描くための存在でしかない。時代背景的にまだまだ女性の地位が今より低かったことがそのまま反映されてるんかな。あまりにも出てくるキャラたちが男すぎる。そんな心配をしてしまうほど、最近の映画はデリケートなものになってしまっている。まぁでも神木隆之介を助けるという流れやったし、ただただ受け身なだけの存在ではなかったか。

ゴジラを倒す流れは流石に無理があるように思ったし、上手くいきすぎやし、演出がくどくて食傷気味な感じもしたけど、トータルで面白かった。BGMを流すタイミングも良かったな。「シン・ゴジラ」よりは物語の盛り上がりが弱かった気もするけど、全然満足した。
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