2023.12.20
リドリー・スコット最新作。またまた歴史物でホアキンが主演じゃなかったら観に行かへんかなとは思いながら鑑賞。意外と楽しめた。
ナポレオンの年表を振り返る内容ではあるものの、焦点を置かれてるのは彼とその妻ジョゼフィーヌの関係。そしてナポレオンの内面にも触れる。かっこよく描くことはなく、逆にずっと暗い表情やし頼りないし情けない。終盤で流刑地から帰ってきた彼に従う兵士たちが違和感あるぐらい。展開は早く唐突。ジョゼフィーヌと結婚した次のシーンではもうエジプトにいて、その次のシーンでは彼女が不倫してる。その後の二人の会話が意味わからなくて、特になんでジョゼフィーヌはあんな態度を取れたのか。そしてなぜナポレオンはそれに従うのか。出会った時からジョゼフィーヌの奴隷になってて、けど社会的立場的にはナポレオンが上で。そのSMを感じさせるような関係性。しかも夫婦やのに背徳感があるような。なかなか面白い関係。
戦いのシーンは圧巻。元々定評のあるリドリーやけど、今作は今までで一番良かったかも。いや映画館で観たからなんかも。あんな音楽使ってたかな。いやでも戦術を一番感じさせてくれた気がする。特にワーテルローはイギリス側の陣形とかプロイセンの軍が近づいてる状況とか、ナポレオンからしたらそうするしかなかったんかなとも思うし、イギリス側はなかなかいい戦い方してた。
展開はダイジェストではあるけど、そう感じさせない重厚感がある。ナポレオン自身の生き様によるカタルシスよりも、最後の彼が率いた戦いで計300万人が亡くなったという文言で少し考えるものがあった。
