がぶりえる

ゴジラ-1.0のがぶりえるのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.2
去年、この映画の予告編が出た時に「山崎貴」の三文字を見て「あー、見ません見ません」と思ってそっと予告を閉じた自分をぶん殴りたい。面白かった。うん、ホントに。というか、これはだいぶ良かったのでは!?監督の名前だけで作品を見もせず、憶測だけで嫌厭していた自分の愚かさを反省します...。アイムソーソーリータカシ。

今となっては、最もフランチャイズされたアイコンと言っても過言ではないゴジラだが、久々に54年の「ゴジラ」の遺伝子を受け継いだ、正当な日本産ゴジラが見れた気がする。「そうそう!これだよ!これ!」って思えるゴジラを2024年に見れてる感動と充足感。ゴジラ好きってほどゴジラオタクではないのだがとても嬉しかった。

そもそもストーリーから、VFXから、全く期待値0で鑑賞したので見てみてびっくり。冒頭、島にミニゴジラが襲ってくるシーンでもうだいぶ楽しかった。(ん?、、、あれ、これ面白い、、?!)とのめり込んで見入ってたし、ゴジラに襲われていく無力な人間たちをワンカット長回しで次々に見せていくあのシーンの絶望感ったらない。本当にゴジラの1番の魅力はそこだと思う。とにかく、破壊!破壊!破壊!破壊!破壊!無慈悲にすべてをぐっちゃぐっちゃにぶち壊して人間を絶望のどん底に陥れる姿が壮観。海に現れるスイミングゴジラのシーン、銀座で暴れるゴジラシーン、わだつみ作戦のゴジラシーン、どれも文句なし100点満点だったと思う。とにかく容赦のない最高のゴジラシーンだった。

それに加えて人間ドラマも良かった。人間ドラマがゴジラシーンのノイズになっていることはなかったし、ダメ男敷島を中心とした戦後ドラマをストーリーの中心にすることで観客に入り込みやすい世界を作っていたと思う。かといって「戦後日本」や「特攻」というセンシティブな要素を無下に扱っていることもなかったし、何ならしっかり反戦映画になっていた。戦争を美化することなく描きつつも、「何があっても生きる希望を捨てるな!」という普遍的なメッセージで(今回は)違和感なく大団円を迎えるという気持ちの良い着地でお見事。王道ど真ん中のエンタメを反戦メッセージも交えながら上手く駆け抜けた作品だった。

そして、伊福部昭の曲の偉大さを語らずにはいられない!!あの曲の凄さを改めて実感。コジラといえばあの曲、あの曲といえばゴジラ、というくらいハマりすぎてる。映画館の音響で体感するとなお良い!!とにかく素晴らしいィィィィィィィィィィ!!!!

そして、最初に書くべきだったかもしれないが、アカデミー賞受賞おめでとう。まじですげぇよ。そして、納得の完成度だった。日本の誇りです。拍手👏

山崎貴監督には次もこの調子で頑張ってほしい!!!