がぶりえる

リリイ・シュシュのすべてのがぶりえるのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.1
アイワナビ〜
アイワナビ〜…

ネチネチ…
ジメジメ…
グチョグチョの
絵に描いた様な陰鬱青春映画。
思春期の心の荒んだ所だけを切り取って繋ぎ合わせた感じの作品。なぜこんなものを…
重たいストーリーに反して画面には常に光が充満していて、それがしかも絶妙に気持ちの悪い明るさで本当に気分悪くて最悪。
加えて照明も何かずっと変な色で気持ち悪い。

全体的に露骨な鬱描写が多くてキモいのだが、個人的に1番キモいなぁと思ったのは主要キャラ全員がネットでリリイ・シュシュを称えている、という最後のオチ。
友人に相談するでもなく、運動して発散するでもなく、1人自分だけの空間で殻に閉じ籠もって好きな音楽をただ聴くことで日々のフラストレーションを解消している感じが、The日本の陰湿なオタクって感じで気持ち悪かった。(でも実際そうだし何かわかる気もする)
しかも、主人公も、イジメの主犯格も、ヒロインも皆同じアーティストを聞いて、同じサイトに書き込みをしてるっていうのが言いようの無いキモさを感じた。

ネット上で広がるオタクどうしのコミュニケーションと、彼らの現実世界での人間関係をはじめとするあらゆる実状とのギャップに切り込んだ映画に思えた。