がぶりえる

現金に体を張れのがぶりえるのレビュー・感想・評価

現金に体を張れ(1956年製作の映画)
3.9
シニカルオーシャンズ

キューブリックの血も涙もない強烈な皮肉が大好き。

本作はキューブリック作品の中では単純明快さがある方のド直球エンタメ作品だが侮ってはならない、キューブリックはキューブリックである。
この全てが皮肉で作られた様な、まるで優しさを感じない脚本をお書きになるのがまさしくキューブリックだ。
「けっ!思い知れお前たち!人間こんなもんだべ」感出まくりのこの感じ。

シニカル指数で言えば「突撃」とか「博士の異常な愛情」とかには及ばないものの、ラストでどっと打ち寄せてくる徒労感とショッキングさにキューブリックのお家芸的なアイローさを感じた。