アカデミー視覚効果賞受賞という大業を成し遂げた記念碑的作品である今作を今更ながら鑑賞
ゴジラ作品は指折りで数えられる程度しか観ていない浅薄者であることは事前に告知させていただきます
今作の情報が初めて発表された時のSNSでの批判的な声は印象的でした
「ゴジ泣き」や「どうせ夢オチ」などの散々な言われ様に、山﨑貴監督の過小評価っぷりに愕然としたものです
確かに物語面に関しては問題点があることの多い監督ですが、映像面だけで評価するならば『ALWAYS 三丁目の夕日』の頃から卓越した存在だった訳ですし、『ゴジラ・ザ・ライド』の成果もあったのだから何故今作に期待しないのだろうと不思議でした(恐らく期待を裏切られるのが怖くて攻撃的になっていたのでしょう)
なので今作を経て、山崎貴の評価が上がったのは単純に嬉しく思います
戦後間もない日本を舞台にするというゴジラファンに対して挑戦的な設定で描かれる物語は、PTSDに苦しみ戦争から抜け出せないままでいる主人公が生きることに向き合っていく姿を映し出していきます
何度も苦境から立ち直ろうとする主人公の前に颯爽と現れ、絶望を撒き散らしていくゴジラの獰猛さは必見
高クオリティな視覚効果で表現される数多の陸海空での場面は、どれもが見応えありました
『ALWAYS』で昭和の町並み、『永遠の0』で戦闘機、『アルキメデスの大戦』で戦艦に着手し培ってきた経験を詰め込んだ山崎貴の集大成を観ることができて大満足です
物語の盛り上げ方もベタながら上手くできていたと思います(ただ、セリフが悪いのか演技がわざとらしく見えてしまうのは残念)
終わり方も山崎貴の優しが感じられて個人的には嫌いじゃないです
ただ、何の工夫もないトランジションは嫌でした
