きしん

ゴジラ-1.0のきしんのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.9
うーん、微妙。

ゴジラの姿勢が良すぎないか。顔もニンマリしてて、眼もガン開きで全然怖くないんだよな。
都合よく海の上を泳いでくれたのも淡路島用か?
それとも関東圏に似たようなアトラクション作る計画でもあんのか?と思ってしまった。
そもそもあんな木造船で逃げ切れる意味がわからん、船足に合わせてくれるゴジラ優すぃ。

前評判でハードル上がってて、原点回帰的な感じで災害としてのゴジラを期待していたが、
全然そんなことはなく言ってしまえば「倒されるためだけのゴジラ」って感じだった。
暴れたのも銀座だけだし、もっとめちゃくちゃにしてほしかったなぁ。

それこそ淡路島くらいから上陸してあちこち破壊した方がより悲劇にできたんじゃないのかな。
いつ来るか、どこに出るか、そういう恐怖が全くなかった。
次来るのも完璧に予測できてたしな、なんで?災害やぞ?予測できたらあかんやん、未来か。
復興しかけの銀座を一瞬で焦土に戻されたのに、作戦説明会のときも意外とみんな冷静だったし。
もっと発狂して逃げ出すやつとかいないのかね。
焼かれ慣れてんのかコイツら、と思ってしまって不快でさえあった。

特にゴジラである必要性は感じなかった。
別に神木隆之介と戦争PTSDだけで成り立ってない?

浜辺美波も要らなかったな、居なくても問題なかったような。
最後もどうせって思ってたら案の定だし。
戦争は終わりましたか?を言わせるためだけのキャラって感じ。
途中からしおらしくなったのも微妙だった。
最初は肝っ玉母ちゃんって感じだったのに、勝ち気なままでいてほしかった。

アキコはかわいい。
ほとんど、スミコにおまかせ!状態だったが。和田も太田も大変だ。

そういや安藤サクラは最初すげぇ八つ当たりだったな。からの手のひら返しがすごい。
まあ子供を三人ももってかれたら世界を恨むんでしょうけど。

佐々木蔵之介も大根すぎて…なんであんな大味なんだ。
大衆演劇っぽくしたかったのかな。

何よりもアメリカの撤退理由も弱すぎて腑に落ちない。
あんなパワーの塊みたい生物を戦時下のアメリカが放っておくわけないだろ。
なのに不介入って不自然だし、しかもソ連に配慮って逆だろう。
クロスロード作戦を持ち出してる時点で、じゃあマーシャル諸島から東に向かったらどうしてたんだいと。
それを避けるための核攻撃だったのかもしれないが、舞台がアメリカ本土に変わっていただろう。
それなら占領地で沈められるのはむしろ好都合、なんなら好き勝手に攻撃できるし、自国民にも被害を出さず、海洋の脅威も消え、国内外に軍事力を誇示できるんだから、積極的に介入してこないのはおかしい。

民間人に戦わせたすぎて、あまりにもご都合主義すぎる。
震電が手に入るとも思えないが。
まあ実物はスミソニアンにしかないし、アメリカ人の方がむしろ馴染み深いかもね。

その点、シンゴジラの方がまだリアル志向だったと思う。
何やっても倒せなさそうなんで焼きまーすっていうスタンス。

全体的にパッとしなかったな。
これなら普通に大怪獣バドルさせた方が良かったかと。
熱線のギミックだけはかっこよかった。
あとは高雄とか駆逐艦とか観れたのくらいかな、良かったとこ。
きしん

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