ひすい

ゴジラ-1.0のひすいのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

ゴジラ作品はシンゴジラに続いて2作品目の鑑賞だった。視覚効果賞受賞ということでVFXに集中して鑑賞した。みんなの感想を見ていると、同じシーン(主にドラマ部分)で感動したか受け入れられないかが二分しているのが面白い。
VFXについては素晴らしかった。水飛沫、青白い光、光線、爆発の炎、崩壊する建築物、瓦礫の砂埃の柱、どれも緻密で見応えがあった。
ただドラマ面はどうしても受け入れられない。
セリフや言動に度々違和感を覚えて集中力が削がれてしまった。
ラストはよかったと思う。典子の黒い模様については度々登場していたゴジラの体組織と思われるが、ゴジラがそもそも核兵器のメタファーであることを考えると、典子がゴジラの再生能力によって幸せに生き続ける未来はありえない。将来的に浩一はもう一度典子の死に向き合わなければならないという、核兵器被害と絡めた重めエンディングはよかった。



以下メモや引っかかったところをグチグチ

・唾液が溢れる口で無駄に咆哮するゴジラはあんまり好きではなかった。欲求や感情を持たない、生物を超越した存在として描かれていたシンゴジラのゴジラの方が自分の好みなんだなあと思った。
・浩一「ここはどこだ俺は日本に帰ってきたんだよな?!」なんて言うかな。自分なら帰ってきたくないと思うけどな。「もう戦争は終わってるんだよな?!」ならわかる。
・浩一「勝手に居座られちゃって」「俺はお父ちゃんじゃないからね〜」なんてみんなの前で言っておいて、典子が仕事始めたって言った時なんであんな焦ったんだろう。個人的には、面と向かってあんな酷いこと言われたアキコちゃんにも「(浩一は)お父ちゃんじゃないもん」と拒絶するようなシーンも見たかった。
・野田「今のご時世にあたたかい話ですね」
いや、あれだけ大勢の人が家族を失っててそんな話はありふれていたと思います。それだけ野田が世間を知らないという描写、というわけでもなさそうだし…
・浩一のゴジラとの再対面。射撃のリベンジシーンはもっと時間をとって重くしてほしかった。秋津に急き立てられるのではなく浩一が何かを克服した上で撃つという展開を期待していた。けどあの段階では気持ち的にまだ無理だったのかもしれない。
・典子も死んでしまった後、作戦に参加することを決めた浩一は、もはや「被害者あわよくばヒーローとしての死場所をくれ」と思っているはず。野田の作戦に対してあんな高圧的に「殺せるんですか殺せないんですか」なんて言い放った上に、やってらんねえ みたいな感じで席を立つような心境ではないと思う。仇を討つというよりかは、自分のやったことの責任と罪悪感をゴジラになすりつけているようにみえてしまう。浩一はキャラが揺れていて感情移入が難しい。
・橘を探す理由もなかなかサイコパス。自分の戦争に他人と世間を巻き込んでいる。「あなたの戦争も終わっていませんよねえ」ニヤはさすがに引いた。
・秋津「この国はお前たちに任せたぞ」ヒーローである自分たちに酔いすぎてちょっと。全体的に秋津のキャラがちょっと。
・作戦決行のシーン。戦闘機を見たい私にとっては、天蓋を閉めるところとかエンジンをかけるところとかプロペラが回り出すところとか見たかったよーー!!
山崎監督は戦闘機あんまり好きじゃないのかな。
・秋津「あいつらいい顔してるぜ」それは自己犠牲讃歌すぎてアウト。遠回しに特攻を肯定しちゃってる。
・ゴジラは深い相模湾の上でずっと脚と尻尾バタバタさせてるという認識で合っていますか。かわいい。
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