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沖田総司のmitakosamaのレビュー・感想・評価

沖田総司(1974年製作の映画)
2.7
草刈正雄が沖田総司を演じるという、イマイチ良くわからん企画。
確かに灯台随一のイケメン草刈正雄だが、沖田の持つイメージでは無いよなぁ。掘りが深くて日本人離れした草刈に病死するキャラクターは真逆だよ。メッチャ健康そうだもん。

そして話が凄い駆け足。
試衛館時代から始まり、上洛して新選組結成→芹沢鴨暗殺→池田屋事件→山南敬介の脱走と介錯→鳥羽伏見→病死までが90分で描かれる。

何が問題化って、この映画は背景が描かれていないんだよね。京都の町並みなどが一切無い。
例えばダンダラ羽織の新選組が京都の町を我が物顔で歩くシーン等が1カットでもあれば印象が変わるのに。
江戸と京都の絵的な変化が無い。「何処で」何が行われているかを説明するカットが皆無なのだ。

また沖田自身も士衛館時代から服装や髪型の変化がほぼ無い。
士衛館時代が総髪なのは良いが、新選組になれば髷を結うべきだ。(いわゆる幕末の講武所髷というやつ)環境の変化や心情の移り変わりを、見た目で変化させることで表現させるような手段が無い。

確かに池田屋の前に土方が拷問するエピソードや、病床の沖田が黒猫を斬れなかった等の有名なシーンは描いている。血なまぐさいシーン等を設けることで生死観を表現したいのだろうが…あまり成功しているとは思えないなぁ。

鳥羽伏見が採石場で行われているのも何だかなーって思ったが、爆発でケツが見えてたり刀が曲がってたりってギャグは何だったんだ?そこ笑い要らない場面じゃん。

なんか全体的に雑。
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