まるで、
アメリカンニューシネマの様だった。
例えば、
明日に向かって撃て、の様な。
実際、明日に向かって撃てをリスペクトしたであろうシーンも見受けられたし、
古さを感じなかったのはそんな作風にもあるのだろうか?
イヤ、むしろ新しささえ感じた。
今、こんな時代劇はない。
ホンは何を説明するでもなく、沖田総司を中心とした新撰組の歴史を物語って行く。
新撰組の基礎知識がないと何のこっちゃだろう。
が、そこが良い。
沖田総司を中心に新撰組に起こったドラマを淡々と見せて行く。
がきちんと各々の登場人物の心情は伝わってくる。
土方歳三との友情。
近藤勇に対する思い。
恋する人が自分の所為で殺されてしまう。
復讐心に燃えた沖田総司が志士たちを斬りまくる。
その想い。
沖田総司を演じる草刈正雄氏の演技が清々しい。
氏の演技を観ていると、
日本で流行った1970年代演技を思い出す。
発端はショーケンこと萩原健一氏。
松田優作さんが後を継いだが、
その後継ぐ人がいなくなって、
今はショーケンさん一人が気を吐いている。
おもしろい演技術だったのに、
残念…。
逸れた。
出目監督の演出も爽やか。
さすが青春映画の巨匠。
あ、土方歳三の高橋幸治さん、
近藤勇の米倉斉加年さんも良かったな。