Boss2054

沖田総司のBoss2054のレビュー・感想・評価

沖田総司(1974年製作の映画)
4.7
まるで、
アメリカンニューシネマの様だった。
例えば、
明日に向かって撃て、の様な。

実際、明日に向かって撃てをリスペクトしたであろうシーンも見受けられたし、

古さを感じなかったのはそんな作風にもあるのだろうか?
イヤ、むしろ新しささえ感じた。
今、こんな時代劇はない。

ホンは何を説明するでもなく、沖田総司を中心とした新撰組の歴史を物語って行く。
新撰組の基礎知識がないと何のこっちゃだろう。
が、そこが良い。
沖田総司を中心に新撰組に起こったドラマを淡々と見せて行く。
がきちんと各々の登場人物の心情は伝わってくる。
土方歳三との友情。
近藤勇に対する思い。
恋する人が自分の所為で殺されてしまう。
復讐心に燃えた沖田総司が志士たちを斬りまくる。
その想い。

沖田総司を演じる草刈正雄氏の演技が清々しい。
氏の演技を観ていると、
日本で流行った1970年代演技を思い出す。
発端はショーケンこと萩原健一氏。
松田優作さんが後を継いだが、
その後継ぐ人がいなくなって、
今はショーケンさん一人が気を吐いている。
おもしろい演技術だったのに、
残念…。
逸れた。

出目監督の演出も爽やか。
さすが青春映画の巨匠。
あ、土方歳三の高橋幸治さん、
近藤勇の米倉斉加年さんも良かったな。
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