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We're All Going to the World's Fair(原題)のsonozyのレビュー・感想・評価

4.0
ジェーン・シェーンブルン監督のデビュー作。
主人公は本作がデビューのアンナ・コブ演じる学校には行ってない孤独な女子高生ケイシー(偽名)。
姿の見えない(声のみ)父と暮らしているようだが、父を避けている様子。
昼は近所の散歩に出るもののほぼ自室で過ごし、その様子を動画でアップしているがビュワーは十数人。

「World's Fair Challenge(万博チャレンジ)」なるホラーRPG的なものに参加するため「万博に行きたい」と3回唱え指先をピンで刺して出た血をPCの画面に塗りつけるケイシー。
万博チャレンジに参加し奇妙な事になっている他のユーザーの動画を見ながら、自身に起こる変化を動画で記録しアップしていく。。
というお話。

深夜、納屋でプロジェクターでASMRのお姉さんの動画を映写しながら寝ようとしていると、不気味な動画&アイコンでSkypeの着信音が鳴りJBLなる見知らぬ男から「君と話す必要がある」とメッセージを受けるケイシー。
変態野郎か?と恐る恐る繋ぐと、JBLはどうやらかなり歳上でケイシーの「万博チャレンジ」参加後の変化を心配しているようなのだ。。

ケイシーに何が起こるのか?JBLは何者なのか?...
ホラー度が強いわけではないんですが、この設定、ケイシーのPCを見つめる視線=カメラ目線、サウンドデザインで最後まで引き込まれます。

明示されるわけではないですが、ケイシーの状況が、ジェンダーディスフォリア(Gender Dysphoria 性別違和)を伝えているという事で多くのトランスジェンダーの人々がこの作品に共鳴しているそう。
ジェーン・シェーンブルン監督自身もクィアで、孤独なケイシーが「昔から自分が体から離れていくような、まるで別人になっているような感覚がある」と語るあたり、確かにそうだなぁと。

登場するASMRお姉さんのYouTubeはこちら。
Slight Sounds ASMR
https://www.youtube.com/@SlightSoundsASMR
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