床ずれ

怪物の床ずれのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.5
相米慎二の『台風クラブ』しかり、ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』しかり、子供たちだけの閉ざされた親密な空間を美しく描けばそれは傑作になるのは間違い無いのだが、本作はさらに黒澤明の『羅生門』ばりの多角的視点を導入していて、ただの甘美な物語にとどまらせず、現代の社会構造の腐ったところを炙り出す構成がすごいと思った。さらに、坂元裕二独特の言葉の細やかな機微、坂本龍一のピアノの音の物質的な粒感など、傑作にならない要素がない。
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