このレビューはネタバレを含みます
前情報全く入れずにみて本当に良かった。
脚本、街の風景、役者陣全員の演技、
そして音楽、全てが美しかった。
邦画でこんな映画が観れるとは思わなかった。
観た後は、他の人の考察を読みたいけど読みたくない。
感想を誰かと語りたいと思うし、誰とも話したくない。
自分の中で相反する感情があって、鑑賞後こんな気持ちになった映画は初めて。
映画の中に怪物はいるかもしれないし、
いないかもしれない。
それぞれの主観的な視点でストーリーが進むから、登場人物の行動や言動は何が事実なのかわからない。事実と映画に映っている行動は異なっているかもしれない。
デパートに火をつけたのは星川くんなのか。
校長先生がついた嘘ってなんだったのか。
ラストシーン、二人はどうなったのか。
監督はこの映画は「祝福の映画」と言っていた。
前半の各登場人物の辛い思いとか、
いじめとか、虐待とか、痛々しいシーンを
見てる時はこっちもすごく辛かったけど、
ラストの二人が日向の下で笑い合ってるところ、そして坂本龍一の音楽で確かに「祝福」を感じることができた。
だからただただ辛い感情ではなく、
切ないけど、どこかあたたかいそんな言語化できない感情が残る映画だなと思った。
ー誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。
誰にでも手に入るものを幸せっていうの。
