みちたろ

怪物のみちたろのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

「生まれ変わる」ことをしない残酷な現実から逃げるしかなかった子供たち。ラストシーンの美しさと惨さ。鑑賞後の現実がより重くのしかかる。

”怪物”は日本の事なかれ主義と、無意識下に潜む有害な男性性。これが本質的に変わるにはあと半世紀かかるだろう。

拭いても拭いても見えない窓を捉えたショットが特に印象深い。脚本、音楽だけでなく是枝監督の手腕もいかんなく発揮されていた。俳優陣も皆素晴らしい演技だった。

故・坂本龍一氏に哀悼の意を表するとともに、坂本裕二氏の次作に期待したい。花束とかやってないで、本作のような社会にメスを入れる傑作を書き続けて欲しいものである。
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