うーぱーるーぱー

怪物のうーぱーるーぱーのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.9
1回目 6/6、2回目 6/24

これを書いている6/27現在では、「怪物はいなかった。そして、私にとっての怪物から見た私も、また怪物だろう」という、矛盾した感想を抱いてる。

ラストの解釈はいろいろあると思うけど、新しくひらけた世界を駆けていく2人が瑞々しかった。
どこまでもどこまでも、軽やかに駆けて行ってほしい。

エンドロールで流れた坂本龍一さん作曲『aqua』の、静かな広がりとたしかな生命力が、この作品の余韻をより細部まで染み渡らせてくれた。


以下、余談です↓

本編が始まってから、地元で撮影が行われたことを知った。
クリーニング屋さん、病院、スーパー、校舎、通学路。
全部見覚えがあるから、リアルとフィクションの境界線が曖昧になって、今まで感じたことのない種類の不安に襲われた。
特に、チャイムでも使われていた校歌。
小学校で過ごした6年間、数えきれないくらい聞いた音程に、簡単にあの頃に飛ばされた。