このレビューはネタバレを含みます
良かった。これまでの是枝監督作品の中ではやや気になってしまったノイズというかセリフの癖のようなものが本作には全然なくて、そこは坂元裕二脚本と上手くマッチしていたのかなと思う。
田中裕子演じる校長先生の「誰かにしか手に入らないものを幸せと呼ぶのもしょうもない、誰にでも手に入るものを幸せと呼ぶのもしょうもない」というセリフが心に残った。彼女はもともと組織を守ることが第一優先の経営者思考なのか、悲劇に見舞われたことにより教育者としてもともと持っていた正義感や使命とかを忘れてしまっているのか読めなかったけど、そんな簡単に説明できるものでもないのだろう。
そういえば「最高の離婚」でも、永山瑛太さん演じる濱崎氏が、子どもを亡くした同僚が職場復帰した時に、その同僚を力ずくで励まそうとする上司に殴りかかってしまった、というエピソードがあった気がする。