よかった、よかったよ、諸々よかったけどさぁ…っていう映画
演技はいいし画面は綺麗だし子供達は美しいし
でもその全てが良いからこそ、わたしはすごく腹が立った
そもそも、
これは子供を当事者にしてやる必要があった話なのか
衝撃の事実のように2人の関係を明かす意味はなんなのか
マイノリティの人間を題材にしておいて宣伝段階では伏せたのは、2人の関係が「ネタバレ」になるから？
なんで2人の交流をサプライズにする必要があんのよ
しかも曖昧な描写で誤魔化してるし
子供だからってはっきりさせられないならそもそも子供で撮るな、こういう話を
子供が主人公でも良いけどせめてはっきり希望ある終わりがよかった
まだ名前のつけられない2人の関係を美しくて可哀想なマイノリティの悲しい結末として消費しないで欲しかった
これから2人は希望持って生きていくんだ、そうであってくれ、と終盤ずっと願ってたけどそうならなかった
解釈は観客に委ねます、ってなんだよ、無責任じゃないか
マイノリティの綺麗な同情誘う系映画を撮るのはもうやめないか？
タイトルもさ、「怪物」って…
同級生たちの無邪気さとか、小学校という組織の体質とか、親の無意識とかディスコミュニケーションとか、色々「怪物」と呼べる現象はあるのだけど
隠された2人の関係、ひいては2人自身が怪物ともとれる内容になってしまっているじゃん
これを観た人が、「自分も知らず知らずのうちに…」と内省するのを狙ってるのかもしれないけど
当事者とか、当事者でなくても似たようなすれ違いで理解し合えなかった経験のある人は、これを観てプラスな気持ちになるのだろうか
全ての映画が人間に良い影響を及ぼさなきゃいけないと考えてるわけじゃないし
いやーな気持ちになってナンボな作品もあるとは思うけど
こういう題材取り扱うのにまだこんな感じに仕上げてくんの？もういいよ！って思う
是枝さんみたいな人がこの流れ断ち切んなきゃ誰もやらないよ
文句ばかりになってしまった…
けど最初に述べた通り、役者さんの演技は素晴らしかったし、ロケーションも音楽も最高
小道具も細かくて、もちろんセット感もなくて
さすが是枝映画だった
そこは映画館で観てよかったなと思う
特に子役の2人は凄まじかったので、今後の活躍も楽しみ
なんだかんだもう一回くらいは観ないとかな。
でもやっぱまだ腹立つので配信待ちします。
