物の見方をフラットにすることは難しい。
起きた出来事をどの様に捉えるのか?
捉え方によってその後の行動が違ってくる。
物語は学校を舞台に、ある出来事を通して、母親、教師と学校、子供と立場の違う視点から描かれていく。
そこには、先入観や思い込み、また事なかれ主義などによって、本当のことを理解することが困難になっていることが見えてきました。
私も息子(もう社会人ですが…)を持つ親なので、思春期の息子の行動に勝手に先入観を持ったり余計な心配をしたりしていた過去の自分を思い出しました。
親から距離を取りたくなる時期に、聞いてもはっきり答えてくれない、ウザがられるなどで、ネガティブな憶測しか思いつかなくなってしまう。
安藤さくらさんが、心配で必死に走っている姿を見て泣けてきてしまいました。
そして学校…特に校長先生の対応
長年の経験からなのか、親からの心配をクレームと捉え、調査することをしない。謝って事を済ませようとする。
事実調査をして、当事者の言い分や周りの人の意見をきくことで、嘘をつく人がいたり傷つく人がでたりするかもしれないし、ことが大げさになってしまうかもしれない。
しかし、起きてしまったことに向き合わないことには改善は望めないし、本当に困っている子を救うことはできない。
子の言い分だけを信じて学校が悪いと決めつけている親の対応は、難しい所があるとは思うけれども。
普段から、学校が子供の声を聞けれような関りをしてくれていればと感じます。
結局、担任の責任となって、対外的な解決となってしまった。
そして子供たち。
純粋なようでいて、その純粋な正義が…。
私には、子の成長期に社会から離れた隠れ家的な場所で、主体的に自由な時間を過ごすことができていることがとても羨ましく感じました。
塾や習い事などで1週間の予定が埋まってしまっていると、主体的な自由な時間を持つこと無く大人になってしまう。今はそういう人が多いと思うので。
大人に邪魔されない空間と時間があることで、自分に向き合い、自分とは違う友と向き合うことができるのではないかと。
でも、大人は子が秘密を持つことを心配し、自分の管理下に置きたがる。
諏訪の自然環境が美しかった。
子を信じて大丈夫!
最後の二人の輝く笑顔が、子供と未来を信じる気持ちにさせてくれました。
是枝監督は、子役の発掘の天才です!
黒川想矢くんと柊木陽太くんが素晴らしかった!!