紫亭京太郎

怪物の紫亭京太郎のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
5.0
親の視点に始まり、対峙する教師達が“怪物”に見え、「あー、このことか」と思っていると視点が変わり、教師達の間で何があったかを見ていると、抗議に来た早織が“怪物”に見える。
そして子供同士、湊と依里が仲良く行動を共にする様子が描かれると、オトナ達の行動が全て思い込みによる妄動に見えてくる…
物事を見る角度が変わると、見える“怪物”が全く違ったものになる。
“怪物”はいたのか?いるのか?
そもそも“怪物”とは一体全体何なのか?
衝撃的なタイトルに引きずられているうちに物語の中にどっぷりとはまりこみ、思考の沼でもがきながら、夢とも現ともつかない世界へと導かれていく。
振り回される映画体験が鮮烈な、ヒューマンドラマの傑作!
紫亭京太郎

紫亭京太郎