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Mannequin in Red(英題)
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『Mannequin in Red(英題)』に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

4.0
消えゆく牢獄の輝き

初アルネマットソン!ジャーロの先駆的作品として知られているスウェーデン産のホラーチックなミステリー。オートクチュールサロンが舞台なため画面が超オシャレ&ポップで見てるだけで眼福すぎた😂そんな華やか舞台に蔓延るドス黒い悪意に夫婦探偵が挑む!

Folk Mellvig原作のカラーシリーズ2作目らしい。行方不明中の有名モデルの捜索にあたるため、夫婦探偵(ジョン&カイサヒルマン)の奥様カイサがオートクチュールサロンにモデルとして潜入捜査。ある日、ショーケースに飾られたマネキンの背中にナイフが突き刺さっているのが見つかる→そのマネキンが行方不明のモデルだと判明…。それを機にサロン関係者が次々に殺されていく…。

『プラダを着た悪魔』のメリルストリープのような厳しいサロンオーナーのもと、その養子ボビー、甥リチャードと姪ガブリエル、現場を仕切ってるやり手なリンデル。オーナーの後釜争いは水面下でドス黒い渦を作り出し、遺書の書き換えや4つの短剣、謎の手紙に脅迫リスト、そして17世紀から続く歴史をも巻き込んで混沌としていく。それでいてコメディタッチなシーンが多くて結構笑いながら見てた😂

ビルの上棟式をしない方針のオーナーに対して、「上棟式をしろ!」と抗議する建築会社側の抗議が、ビルに首吊り自殺してるマネキンを毎日のように置いておくっていうイカれ具合。探偵ものにお決まりなポンコツ助手は独自に捜査してたのを怪しまれて犯人として報道されてるし、途中から如何に捕まらないか…に執心してるのもポンコツ過ぎて笑える!😂

内容的にはどうしても『モデル連続殺人』や『悪魔のような女』を思い出してしまう。『モデル連続殺人』のようなドギツイネオンはないけれど、飾られている衣服や意匠が煌びやかで常に画面がカラフル。その煌めくような色彩の中を、キャラクターたちの縦横無尽な流れるようなインアウトを流麗に動くカメラが捉えつつ、画面外の動線まで意識させる映像がとにかくカッコ良くて高揚感が凄い!各カットが緻密に練られているんだろうなって思うし、手を緩めることなくそれをラストまで徹底している。

そのカメラワーク含めた映像演出の凄みは恐怖演出にも活かされており、それまでの色彩から暗闇が支配的になることを起点として背景の闇に埋没するかのような朧げな殺人鬼を装置の音により実在化させたり、カーテンの揺れへ向かう中で視点を客観→殺人鬼→客観と移動させることで被害者の視点が単なる闇でなく殺人鬼を既に捉えてきたことを遡及的に理解させて恐怖とする匠さ。しかもコメディシーンで挟み込み、その落差のギャップでどちらかというとコメディ側を際だて、それが本作の殺人や死が可視化されるプロセスの嫌な感覚の元凶を浮き彫りにする。そしてそれは「見世物」への批評的な態度をも窺わせるし、mannequinを冠するタイトルへも返ってくる。

古物に囲まれたオーナーは歴史に囚われた存在であるわけで、その牢獄を牢獄のままに侵略行為を許さないような展開は、スウェーデン史全然知らないからわからないけれど、それを希望と捉えているのか『サンセット大通り』的な消えゆく輝きだとするのか。サプライズ的なラストのあの行動からすると後者かその延長線な意図のような気もする。どちらにしても虚しく響き渡る「ドン」という落下音が印象的だった。
ジャッロ映画の源流「モデル連続殺人!」(1963)の元ネタとして有名な1958年スゥエーデン産エンタメ・ミステリー。原題邦訳「赤いマネキン」。監督は「春の悶え」(1951)のアルネ・マットソン。主演は「令嬢ジュリー」(1951)のアニタ・ビョルク。

【物語】
“赤いマネキン”と呼ばれる人気モデルが行方不明になり、私立探偵ジョン・ヒルマンが捜索を依頼される。彼の妻カイサは捜査のため不明者が所属していたファッション・メーカーにモデルとして潜入就職する。数日後、メーカーのショーウインドウに飾られたマネキンが倒れ背中にナイフが刺さっているのが発見される。それは行方不明モデルの死体だった。凶器は世界に4本しか作られていない骨董ナイフ。容疑者として浮かび上がるのは独裁的な車椅子の女性オーナー、その養子ボビーと甥のリチャード、現場リーダーのリンデル(アニタ・ビョルク)・・・しかしこれは連続殺人の始まりにすぎなかった。。。

マットソン監督は、マネキン人形狂いの男を描いた「沈黙の歓び」(1962)など耽美的な持ち味が好み。本作題名の“マネキン”はモデルの通称だったが、あるシーンに薄暗い地下マネキン倉庫が用意されていて監督らしさは感じることが出来た。。

ファッション事務所が舞台なので全体的にビジュアルがカラフル。ビル上からの首つり死体など犯行には手が込んでいるものの残酷な殺害場面や流血は皆無。コメディ担当の探偵助手カップルも配されていて、広く一般層に向けたエンタメ・ミステリーとして作られている感が強い。その分、スローペースで尺が長いので、マニアックな刺激を求める向きには物足りないかもしれない。

ただし最後の10分は、マネキンやカラフルなドレスが並ぶ暗い部屋に青い照明が使われて、まさにジャッロ風な映像が展開する。バーヴァ監督にインスピレーションを与えたのも十分に納得できた。本作の華やかな画面とドイツ・クリミ映画の猟奇を掛け合わせて「モデル連続殺人!」が生まれたのだと考えられる。

本作はヒルマン探偵夫婦を主人公とした全5作シリーズの2作目。マットソン監督には耽美&異常性愛映画のイメージを持っていたので、本シリーズのような大衆人気作を作っていたのを知ることが出来てよかった。

ジャッロ映画を先駆けヒントを与えた、映画史的に注目すべき一本。

※主演アニタ・ビョルクは、ベルイマン監督「シークレット・オブ・ウーマン」(1952)で主演。撮影のヒルディング・ブラドは初期ベルイマン監督作品の常連。