KISHIBE

きみの色のKISHIBEのネタバレレビュー・内容・結末

きみの色(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

目に映るもの全てが輝いている、
キラキラで透き通った素敵な作品


主題歌がミスチルと知って、
ちょっと観に行きたいな〜くらいの気持ちで、
Filmarksでの評価も高く、
ちょうど良い時間からのがあったのでIMAXで鑑賞してきました。

想像していた以上に自分好みの素晴らしい映画でした。

人に色がついて見える主人公、
周りからは優等生だと慕われているが突然学校を辞めた少女、
偶然出会った音楽好きの少年、
全く雰囲気の異なる3人が出会い、
バンドを組む事になる物語。

まずこの映画に意地悪な展開や人物は一切登場しません。
私はこういったどちらかというと現実的な物語の場合、起承転結の「転」で起きるマイナスの出来事が少し苦手です。
上手く行ってる時に悪い事が起きる、
けどそれを乗り越えてハッピーエンドになる。
そう分かってても少し苦手なんです。
だからこの作品もバンドが上手くいかなくなったり、喧嘩だったり、事故だったり、
何か悪い事が途中で起きるんじゃないかと頭の片隅で心配しながら観ていました。
結論そういった大きなトラブルは起きませんでした。
それぞれの登場人物が抱える悩みや問題はありますが、
音楽を通して全て良い方向にまとまる様な展開になっていました。

本当に優しい人しか出てこないと言っても良いくらい穏やかであたたかい世界での物語でした。

だからこそ大きな奇跡とか変化等も特になく、
基本的には緩やかにお話が進みます。
でもそれが凄く心地良く、観ていて心が穏やかになりました。

作品のタイトルや主人公の特質でもある「色」に関してですが、
映像が本当に美しく、色彩や線が柔らかくて目でもとても楽しめました。
どのシーンでも適当に止めても部屋に飾りたいくらいに画が綺麗で、
新海誠監督作品などの映像美とはまた違った美しさが感じられました。

また、音に関してですが、
サントラが基本的に控えめで、
そっと物語を彩る様な優しい音ばかりでそこも個人的に凄く好みでした。
勿論主人公達が最後に披露する3曲もどれも個性的だしかわいかったり綺麗だったりで素敵でした。

最初から最後までずっと目でも音でもキラキラした可愛らしくて綺麗であたたかい世界を堪能する事が出来ました。
帰り道にスキップしたくなる様な、
自分の見ている景色にも違った色を探したくなる様な、そんな素敵な作品でした。