がらがら

きみの色のがらがらのレビュー・感想・評価

きみの色(2024年製作の映画)
4.0
悩みを抱えた3人の男女がバンド組む話。『聲の形』の山田尚子監督作。

シナリオだけ追うとあんまり面白くないのに音楽とアニメーションの力で面白く感じるのが不思議。バンドシーン・音楽は映画館の音響も相まって素晴らしい。やっぱりバンド映画は映画館で観てなんぼだなと。

3人が音楽を楽しんでる様子が尊い、変に恋愛展開にならなくて安心した、『空の青さを知る人よ』が恋愛方向に進んでがっかりしたから。

最初はトツ子の鼻歌くらいの曲がどんどん本格的な曲に出来上がっていくのが『はじまりのうた』っぽくて好き。山田尚子監督らしい細かい足の演出、トツ子の顎のラインが少し丸いのも良かった。

オリジナル曲を作るのはバンド系作品の定番だけど、音楽に全く造形がない自分としてはそんな簡単に曲って作れるの!?って驚く。

エンドロールのミスチルは全く不要。ポストクレジットシーンの入り方でエンドロールに入れば普通に良かったのでは?

〈ネタバレ〉
"きみ"のエピソードが描写不足のせいでイマイチ判断ができないけど、色が綺麗に見える人は音楽・表現が好きな人、好きをはっきり持っている人のような感じ?バレエの好きを貫けなかったトツ子はバンドを通して新しい好きを見つけることで自分の色が見えるようになる…ってことかな。三原色の3人が揃えばどんな色も作れる。そして3色を混ぜるとできるのは白(3人が出会った場所はしろねこ堂)。
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