群像劇ものの映画は、複数の主人公たちを共通するイベントに出会わせることでドラマチック性を演出する。「アベンジャーズ」は世界の危機、「マグノリア」はカエル、そしてこの映画はラリった熊だ。
この映画は熊がコカインを摂取していたという実際の出来事に着想を得ている。具体的に言うと、熊はコカインを摂取した3か月後に病死したらしいが、この映画ではピンピンしていて、化け物じみたムーブで自然を駆け回る。
キャラクターたちも完全なるフィクションなので、メンヘラの元マフィアやませた女子中学生など、どこか抜けてる人たちしか出てこない。こんなキャラクターたちが80年代風のカメラワーク、BGMに合わせて内臓をぶちまけて殺されていく。まるでマーティン・マクドナーが撮った「ジュラシックパーク」だ。
このテンションに乗ることができればかなり楽しい時間を過ごせるが、乗れない人は上映時間中ずっと困惑しながらスクリーンを見る羽目になるだろう。