一度聞いたら忘れられないタイトル―――そう、『コカイン・ベア』だね。待ちに待ったレンタル開始ということで、レンタルして早速に鑑賞。
「麻薬密輸人がセスナ機から投下したコカインを森のクマさんが大量摂取、コカイン・ハイになって大暴れ！最強の"コカイン・ベア"が、森にやって来た人間を襲いまくるパニック・アクション・コメディ！」
B級パニックモンスター系かと思っていたのだが、実際に観てみるとA級だった。黙って友人と山林に入ってしまった娘を探す母親、投下されたコカインを探す麻薬密売人、麻薬密売人を追う刑事...etc.―――ただ凶暴化したクマが暴れるのではなく、それぞれの事情でやって来た人々の人間模様も良い塩梅に描かれており、コメディのノリも良く、全体的に単調さが無かったのが◎。ゴア描写も配慮薄めでしっかり見せてくれており、なかなかに優等生的な作品だった。
個人的にお気に入りは、疲れたコカイン・ベアが死んだフリをしていた人の上に覆い被さって眠るシーン。これは新しい！（そのまま窒息死してたら最高だったのだがっ！）
本作、1985年に起きた実際の事件をベースにしているらしい。実際の事件は、麻薬密輸人が投棄したコカインを大量摂取し、オーバードーズで死んだと思われるアメリカクロクマが発見されるという顛末で、本作のように人を襲ったという記録はない模様。コメディ調で描かれた本作だが、その裏には人間の犠牲になった一頭のクマがいたという・・・なんとも考えさせられる話。
