Eirain

クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのEirainのレビュー・感想・評価

3.2
我らがデヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作、遂にBlu-ray発売!年度末、年度初めの業務が少し落ち着き、久しぶりにまともな休日を迎えることが出来たので、ようやくに鑑賞。

舞台はディストピア的近未来。人類は、人工的な環境に適応するように進化し、痛覚を失っていた。体内に新たな臓器を生み出してしまう"加速進化症候群"を患うソールは、パートナーであるカプリースと共に、新たに生まれた臓器にタトゥーを入れ、摘出するというショーで名を揚げていた。痛覚の喪失に続いて人類が誤った方向へ進化する状況を良しとしない政府は、影響力の高いソールに強い関心を向けるが、そんな中、とある男からソールへ、生前プラスチックを食していたという少年の遺体を解剖するショーをしないかと話を持ち掛けられる―――。

「未来の犯罪(Crimes of the future)、それは人類の異常な"進化"―――。」

クローネンバーグ・ワールド全開のディストピア作品。「本作は私がこれまでしてきたことを進化させた作品です」との言葉のとおり、前時代的ディストピア、肉体改変や生物的なグニョグニョ・ギミック等、「これぞクローネンバーグ!」が溢れており、監督のファンであればニッコリ間違いなし!(ラストも産廃食べてニッコリご満悦!)

と、コンセプトは観たかったものバッチリど真ん中だったが、物語への引き込み具合が少々イマイチで、どんな展開になるのかドキドキしたのはクライマックスくらいだったのが残念。(というか、全体像が分かった上で観る2回目以降の方が楽しめるかもしれないな、これは。)
Eirain

Eirain