壊死ニキ

日の丸~寺山修司40年目の挑発~の壊死ニキのネタバレレビュー・内容・結末

2.1

このレビューはネタバレを含みます

面白い!
まだ心のやわらかい時期に、寺山修司と円谷プロに相当喰らってドキュメンタリー映画を自分で撮っちゃうっていうのは凄い!!
庵野秀明のことも好きなのかな?

でも現代でリバイバルするのであれば質問内容はもう少し刷新できたのでは?と思う。
判押しするように政治的質問を投げかけるのも、人格を透明にするためにSNSのDMを使うのも、現代だとやや大元からズレてしまっている気がする…!!

″記録用紙になるために人格を消す遣り方″を訊くために当時のインタビュアーのいるミュンヘンまで行って、
「嫌になっちゃった、私は機械じゃないんだから」「君が機械じゃないのはわかっているよ」「人間は機械にはなれないですよ」
のフレーズを引き出しているのも、当時の体験を引き出してるのも素晴らしい。

右派偏向に見えるのに当時の過激な右派からバッシングを受けてるのは驚いた。
当時の寺山修司の周りにいた人々にインタビューしてるのも素晴らしい。

″国家という閉じられた体験から、あくまで詩的な方法で出て行こうとした″
″このコップの中に僕の国家があるんだ″
↑ここすごい良い。

それでもやっぱり監督の自己陶酔的な、やや独りよがりな、他者の言葉や思想を、私物化してしまいたい、というのが垣間見えてしまった。そこさえ消臭できたら、と思ってしまうのは多分わがままなんだろうな……!!!!!
次回作めちゃくちゃ楽しみ……