壊死ニキ

回路の壊死ニキのネタバレレビュー・内容・結末

回路(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

話に捉え所がないのに、構図と色と人の肌の映し方がめちゃくちゃ格好いい。

カット割で違和感を作るのが上手くて引き込まれる なんなんだこれは、撮影が格好良すぎる

テーマ的にlainを想起せざるを得ないけど、調べてみたら監督同士で交流があるとかないとか、影響を受けてるとかいないとか、ふんわり関連があるようでないような話が出てきて、断定されないのが逆に安心した。

以下備忘録

温室のガラスドア、ビニールカーテン、レースカーテン透明な遮蔽物(遮蔽している筈なのに見透される・遠隔での繋がり)への恐怖を強調してるってことですか?
→同じ空間にいてもどこか隔絶されてるよねって話でもありそう

全体的にノースリーブの衣装が多くて俳優さんの骨格が凄く際立ってる、小雪って、すごすぎる

異変の渦中にいるキャラクター(ヤベ君?)に声をかけようとするヒロイン(麻生久美子)に、たぶん話の本筋に関係のない男性キャラクター(社長←何の?)が
「いいけど無駄かもしれないよ、人を助けようとして良かれと思ってかけた言葉が結局いつもより深く相手を傷つけることになるよね、そのことで自分もまた傷つくし、コミュニケーションってそういうもの、それならどうすればいい?私なら、たぶん、何もしないな。それも一つの勇気の要る選択肢。」
って一息にセリフを言って、ビニールカーテンを鬱陶しそうに払うヒロインにカットが変わる、それでもヒロインは男性キャラクターに声をかける、ストーリーは進んでいく
↑なにこれ〜〜〜〜!!!!!!!!!


霊界がいっぱいになったら現世に幽霊が来ちゃう!だから壁や床の染みにして″固定″しておきます。ちなみに、死んだら永遠に孤独です。←わかりました


何か閉じ込める、防ぐためにテープで目張りしてる…?なに?
造船所の窓を破壊してる、何?
回路が開かれたって何ですか?


幽霊を捕まえよう!って話をしてきたキャラクターと主人公が、途中で何も脈絡なく「寒いんじゃないの?」「大丈夫です」の会話を挟んでくるの凄すぎる

友人「何が起きてるの、どうしてみんないなくなるの」→無視をして、社長(何の?)に電話をかけるヒロイン
壁のシミ「たすけて」→叫ぶでもなく、無視をして、別の部屋に移動するヒロイン

コンビニに店員がいない、でも窓に幽霊が映ってる→万引き(なんで?)→鳴りまくるブザー

レースカーテンの隙間から覗くヒロイン(最初のビニールカーテンの構図)
壁の染みになった友達

誰もいないゲームセンター最高すぎる
ゲームセンターの幽霊、高瀬隼子『うるさいこの音の全部』を思い出してしまったけど関係あるかな

終点後の改札を越えて小雪と電車に乗るの、やりたいすぎる〜( ; ; )

インターネットで暗闇(隙間)と繋がれる→繋がったら消える→消えてもどこに行くのか、消えられるのか消えられないのか、現世と変わるのか変わらないのか分からない
↑めちゃくちゃ怖い!!!!!!!!!

嬉しそうな小雪グリッチ、可愛い
最後に犠牲者まとめみたいなの流れてる小さいブラウン管テレビも、めちゃくちゃ可愛い

「友達なら1人いる」「どういう人」「どういう人か結局わからなかった」
↑このセリフすげーーーーーーーー( ; ; )( ; ; )( ; ; )

脈絡なくキャラクター同士は出会うし、危険に晒されるし、助かるし、車を走らせてどこかに行くし、エンストしたら近くに小舟が現れるし、なんなのか分からない飛行機がビルに突っ込んで爆発するし、粉塵が舞う部屋から何故か的確にカギを奪取して黒煙が巻き上がる(車が爆発しまくってる)街から脱出して、デカい船に漂着して、何の脈絡もなく現れた役所広司が「君たちは間違っていない!」って言ってくれる。

↑何?

でも、めちゃくちゃ良い映画でした。