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658km、陽子の旅の440のレビュー・感想・評価

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)
4.3
人との出会いが自分を変える

これはしんどい。
自分とは正反対の陽子に最初は全く共感出来なかった。
でも人との触れ合いで変わっていく陽子を見ていたらほっとけないというか自分も同じかもという気持ちになってきて、最後は泣いてた。
感情を振り回される事で、かなり鑑賞にパワーを使う作品でした。

安全圏に逃げようとしても前には進まない。
ヒッチハイクを余儀なくされた状況での気づき。
彼女にとって「極限状態で行動する=考え方を変える」という大きな一歩を踏み出す。
これは陽子だけじゃなく観ている俺にとってもすごく刺激になりました。

菊地凛子さんの旅と共に変化していく圧倒的な演技力。
それを支える俳優陣もナチュラルで最高にうまい。
陽子に対しての接し方が何とも生々しくて見入ってしまった。

青森ナンバーの夫婦に感情を爆発させる所はもう手汗がハンパなかったなぁ。

旅のゴールで陽子は何を思うのか?
そしてその後の彼女は?

時間経過と共に体に浸透していくような深みを感じる作品でした。
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