このレビューはネタバレを含みます
ほとんど一切の情報がない状態での鑑賞。事前に分かっていたことは鳥のような生き物がアップで描かれたメインビジュアルと、同名の小説をなぞったものではないファンタジーであること。
マーケティングを一切しないというある意味でのマーケティングに乗っかる形になったのは若干癪だけど、おそらく二度とない経験なので初日に観れて良かった。
内容は期待通りの宮崎駿ワールド全開のファンタジー大作。冒頭で戦時中の日本が舞台と分かって、ファンタジーを期待していたら暗そうな映画が始まったと思って若干気持ちが沈んでいたけど、後半はがっつりファンタジーで楽しかった。ただ、どの要素も良くも悪くも過去作からの既視感が強く、最後まで期待を超えるほどの驚きや感動、面白さは感じなかった。
映像は最近の2Dジブリ作品の雰囲気で、所々で3DCGを取り入れていた。ジブリは3DCGが苦手な印象だけど、それを強く自覚しているように感じるくらい極力馴染むように、最小限に効果的なところにだけ使われていたのは良かった。背景は相変わらず圧巻だったけど、どうしてもデジタル作画が浮いて見えるのが気になる。特に、現代のアニメーション表現の頂点であるスパイダーバースシリーズの最新作を観た後では、どうしても比較してしまって映像全体を通して素直に凄いとはならなかった。
あと最近のゼルダがジブリすぎるせいで、ことあるごとにゼルダがよぎって仕方なかった。
