めいきんそ

君たちはどう生きるかのめいきんそのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

夢と狂気の王国の中で、引退記者会見当日に宮崎さんがポツリと、でも強く話していた言葉を思い出した。
窓の外を指差して、「あの屋根から屋根を飛び移ったらおもしろい、煙突を駆け上がることも、波の上を走ることだってできるはずなんだ」
そして記者たちの前で、「この世界は生きるに値する、それを伝えるために映画をつくってきた」とおっしゃった。
人間てやだな、けどこの世界は捨てたもんじゃないな。そんな風に、ジブリの映画からたくさんの生きる意味を感じてきた。

「君たちはどう生きるか」
本の中でコペルくんは、自分が世界の中心ではなく、自分は世界を動かしているものの一つの分子に過ぎないことを知る。

まひとくんはあの本を読んだ後、大冒険に出る。
そこにはトトロ、ラピュタ、耳をすませば、もののけ、千尋、ハウル、ポニョ、マーニー、猫の恩返し、色んなジブリがあった。
絆創膏が剥がれても、生きるために奔走し、自分の醜さを認めて立ちあがろうとする少年が、今回も清々しくかっこよかった。

長編アニメーション描いてるらしいと噂が流れ始めた数年前、その年月込みで本当に幸せな時間だった。
これが本当に最後の長編アニメーションになるとして、
風立ちぬの後にこの映画を観られたことを奇跡のように感じる。

エンドロールでスタジオポノックの文字が見えたとき、込み上げてくるものがありました。