宮崎駿の最新(そしておそらく最後の)作品、事前情報無しというワクワク感から期待値が上がった状態で鑑賞したら、難解過ぎて正直ちょっと残念な気持ちに。
監督が描きたい断片的なシーンを入れまくっているのは伝わってきた。
子供の頃に観ていたら間違いなくトラウマになってるであろうキャラクターやシーンがあって、アニメ映画ながら容赦ないこの感じ、ジブリ映画だ！と嬉しくなった。
⚠️以下ネタバレ
冒頭のシーンから、戦争にまつわる話かな？と少し居住まいを正したが、奇妙なアオサギが出てきたあたりでどうやら毛色が違うぞ？とわくわく感。動物に人間の歯が生えてるのってなんでこんなにおぞましいのだろう笑。
ファンタジーものだと喜んだのも束の間、終始漂うほの暗い雰囲気、ストーリーの難解さ。主人公以外の人物が出てきてくれたときの安堵感がすごい。急に世界観にそぐわないゆるいマスコットキャラクターが出てきてびっくりしたり。とにかく鳥が怖い。あの世界、生きてる人間は滅多に来ないと思うのだけどあの調理場は…？生と死の狭間？あるいは地獄の手前のような世界？と思っていたら、どうやら宇宙の方が近いのか…？色々と展開が謎。大叔父がグラグラの積み木(石)を託したがっていたのは、宮崎駿自身が後継にこの重責を託したがっていること、それを託すことかなわずあの世界もろとも崩れ去ってしまう展開になんだか意味深さを感じたり。シンエヴァを経た後だと、自身が作り出した世界(自分が作った作品)から現実に帰れ(もうかつてのような作品は作りません)というメッセージ性にも感じたり。
母の死後間も無く父が亡き母の妹と再婚する(すでにそれなりの週数の赤ちゃんを授かっている)という、子供にとってなかなか薄気味悪い出来事を受け入れなければならない、その葛藤をめちゃめちゃ難解に描いた話？親が再婚した側からすると、それ自体は勝手だけど、新しい親として受け入れろっていうのを強要されるのはナンセンスだと思ってるので、主人公は大人だなと思った。無理に母さんと呼ばなくていいんだよ。これらのテーマも、ひっくるめると、受け入れ難い現実をそれでも受け入れて生きていきなさい、という暗喩？
感想にはてながつきまくってしまったのが感想だなという感じ。でも、情報に触れる前に映画を観に行くという体験そのものが貴重だったので、そこも含めてのスコア。観に行って良かった。
