わさび

ゴヤの名画と優しい泥棒のわさびのレビュー・感想・評価

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)
3.8
悲しみは己の内で粛々と昇華せねばと思うのもわかるし、何かの表現手段を使って昇華できることがあるのもわかる。
悲しみを内に秘めつつ、終始明るくウィットに富んだおじいちゃんは思わず応援したくなるが、もう面倒事はごめんよ!という奥さんの気持ちもわかる。
ただ、なんやかんや言いつつも、奥さんはあのおじいちゃんの明るさに救われてるところがあるんじゃないかな、と思う。
紅茶を淹れながら歌ってダンスするシーンはなんか素敵だな〜良いな〜と思った。
ハートフルな映画だけど、そこまでほのぼのとした気持ちにならないのは、切実な時代背景を感じさせるからか。
観た後にお茶とクッキー(ビスケットと言うべきか)が欲しくなる、さらりとした余韻の映画だった。