みはしゅん

君たちはどう生きるかのみはしゅんのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

事前告知一切なしに釣られて見てきました。

やはり絵は良かったですね。
特に最初の火事の中を走るシーン。
風を切る感覚を周りの人を半透明にして表現してるところ、力が入ってましたね。

本編にちりばめられたセルフオマージュや表現は楽しかったです。
「転んだだけ」や波の描き方など、名作を思い出すことができました。
とはいえ天才も82歳。セルフとして入れたのか、似通ってしまったのかは定かではありませんが。。

問題は構成です。

序盤があまりに長すぎて、後半が短すぎる。。
ファンタジーの片鱗が見えてから、その世界に行くまでがとにかく長い。
元となった小説は結果として物語に関わってないし、何故泣いたのかも分からない。
そして最後はドカドカドカっと終わっていく。

そしてセリフも支離滅裂。
なぜ妊婦の妹さんはあの世界に残ろうとした?なぜ止めた?どゆこと??

ファンタジーの世界に行ってもキャラクターに感情移入することができず、結果僕の頭の中には"?"マークの積み木だけが積まれていき、最後は崩れてチャンチャン…とはならない。

構成と脚本が良ければもっと良くなったよなぁ…と思いました。

声優陣は良かったです。
僕はお父さんのキムタクが良かったと思いました。

「風立ちぬ」でやり切ったと思われた監督が、何故この作品を作ったのか、正直わかりませんでした。。
あの世界はジブリ全体として、後継者が現れないとこの会社も終わるぞ的なことなんですかね?
それとも最後の「あんな世界に戻るのか?」あたりに反戦とかを感じるのでしょうかね。
今後、制作秘話が語られるのが楽しみです。

さすがに今作が最後なんでしょうね。

宮崎駿引退後のジブリで、新たな積み木を積む者は現れるのか、はたまた王国は崩れてなくなってしまうのか、行く末を見守りたいと思います。

ということで3連休は過去作ジブリ三昧になりそうです。
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