死ぬほど好きだった。面白すぎる。
世界観は不思議の国のアリス、ソウルフル・ワールド、ドラマ「ロキ」のような感じ。
宮崎駿が描くパラレルワールド世界を辿る物語。
これ、ヘタに宣伝打たれた方が私は見に行かなかった気がするから、NO宣伝を決断した鈴木プロデューサーにも感謝したい。
本当にこの作品と出会わせてくれてありがとうございます。
以下、ネタバレ含む感想
最初の母親の死から、新しい母親ができること、戦争の激化、環境の変化といったフラストレーションを、眞人はあまり感情や表情を出すキャラクターではないのに表現されていて、本当にすごかった。
これが、後半の展開すごい効いてくる。
不思議な塔の世界に入ってからは、世界観が本当に面白い。
ちなみに、ばあやたちが私には7人の小人にしか見えなかった。キリコさんはおこりんぼだなぁ、と思ってたらメインポジションに来て、「やはり」となった。
若キリコさんのいる”ワラワラ”たちの世界は、ソウルフルワールドの精神世界に近いものを感じていたら、やはりワラワラは産まれる前の人、、とか。
てか！ワラワラがかわいすぎてヤバかった。ワラワラ〜
時の廊下は宮崎駿流のマルチバース表現。
てか、インコの兵士感はアリス・イン・ワンダーランドの空気を感じたなぁ。
インコが増えすぎ回らなくなってきた世界…これも現代風刺かなにかなのだろうか。
大おじ様の作った世界だと分かるラストの展開は、汚点のない「完璧な世界」を求めた大おじと、悪意があることも不幸があることも、すべて理解してまとめて受け入れて元の世界へ戻る選択をする眞人が本当によかった。
実母は死んでしまうし、戦争はあるし、新たな環境だしで、眞人にとってそれが不快で、それが原因で自分で自分を傷つけた、その中には父親に対する不信感とかもあったんじゃないかと思う。
だからこそ、それが自分の悪意。
それをひっくるめて「完璧じゃない世界」を選択する…
それに、「あちら側の世界」も「完璧」ではない。悪意を「見ないふり」している世界だからこそ、均衡はギリギリで、やっと耐えている。インコが増えたり、石が怒ったり、誤魔化しは効かなくなっている。
明確に、「今世は争いもあるし悪いことばかり…だからこの世界にいよう」とは誘わない。けれど大おじと眞人の話はそういう話で、完璧じゃないことを受け入れることや、この世界への讃美歌になっているように私は感じた。
ヴィランなし、大問題やその解決もなし…
ここ数年、ディズニーさんが表現したかったことってこういうことなんだろうな〜
でもできていなくて、なーんかモヤモヤが残ってた、それを宮崎駿が表現しきった感じがする！すごい！大傑作！
