このレビューはネタバレを含みます
事前情報を本のタイトルだって事以外いれてなかったので、風立ちぬよりもっとリアルな戦争映画なのかもと思っていたが、違った。
世界平和や自然環境の強烈なメッセージがあるのかもと見始めて、途中で、ああ、この人はアニメが好きなんだ。アニメの描写や表現、アニメ制作が大好きなんだと感じた。
印象派の絵画のような風景や、すごく細かいびっしりと刺繍のある重厚なカーテンの描写、ピレネーの城のような空に浮かぶ石に近づくと不気味にうごめいている。
幼い頃考えたようなモグラの巣のように張り巡らされた地下の部屋、ホラー映画さながらの解体現場に、SFテーマパークにでてきそうな通路、コミカルな動きの鳥の後進。
木の棒が砕け散る表現や水、硝子、石、古い屋敷の階段のきしみ。
宮崎駿が経験した感覚や出会った絵画や映画、頭にある全てのものを形にして見せてくれているような感じ。そして現在も新しい文化から刺激を受けて取り込んでる。
宮崎駿の頭の中を覗いている感じがする。
面白かった。これからも何度も覗かせてもらおうと思う。