とんかつソイソース丼

君たちはどう生きるかのとんかつソイソース丼のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大体のストーリーって世界観の説明を少しはするんだけれども、そんなの一切ないから完全に理解できないまま曖昧な世界を俯瞰的に観ているような気持ち。
ただ、創作者が宮崎駿とかいう神だからキャラクターの深みと夢の中のような不思議世界に段々とハマっていくのである。
面白いけどストーリー説明しろと言われたら無理なので、他のジブリ作品のようなものを求めていた人には不評になると思う。
過去の作品はちゃんと視聴者に寄り添ってたんだなぁと。
今作はある程度加工したけど宮崎駿のエッセンスをぶちまけまくった作品。
駿ケミカルx99パーセントである。
多分みんな感想が違う。
世界観の話もみんな解釈違う。
映画終わった時に後ろ席にいた小さな女の子が「もう終わっちゃった!!」と楽しげに言っていた。
小さい頃お話を理解してなくても楽しめるものってあったと思うんですよ。
その子から見た今作はどういう感じなのだろうね。
今作はそんな感じ。何が楽しいのか言語化は出来ないけどすごい面白い。
胸焼けするほどの創作物。






以下ネタバレ含む
君たちはどう生きるのポスターの奴があんな奴とは思わなかった。
最初なんだこの不気味な鳥はとか思ってたのに最後の別れの言葉ですごい悲しくなってしまう。
あの世界は地獄という解釈もあるけど個人的には魔術師が作り上げた狭間の世界という解釈。
積み木が崩れたら滅ぶとても脆い世界。
そこには死者もおり生きてるものも居る。
果てしない物語のように本の世界もあり現実の世界もあるのである。
情熱的な暑さに見えて静かな作品。
インコの表情言動の不気味なような可愛さのような。
宮崎駿の本で基本的に人間を豚に描いていたので人のような言動行動をする動物がいることには驚きはない。
積み木の崩壊で世界がぐちゃぐちゃになる。
一瞬で揺らぐ世界の美しさたるや。
石川賢先生の虚無戦記のような置いてかれている気持ちよさである。