このレビューはネタバレを含みます
冒頭の火事のシーンに躍動感、そして新しい母との対面シーンが印象的だった。この映画のテーマの明示が鮮やか過ぎる。それを絵だけ魅せてくるあたり、こちらの上りに上がりまくった期待を全く裏切らない。
しかし、中盤以降、徐々に怪しくなってくる。
「冒険を通して、亡くなった母からの脱却する成長物語」という大枠は見えてきた。しかし、成長するきっかけが何か本当に分からない。下の世界で起こることは、曖昧で夢のような掴みどころがない。そこで少年が何に影響を受けているのか、僕の入り込み方では見えてこなかった。
最終的にアオサギを「友達」と呼び、夏子を「夏子お母さん」と呼ぶ、成長した後の結果だけが提示された印象。もっと、王道の成長物語が見たかった。
