[20230722]断片的にレビューなどを聞く限り、作りたい映画を作った押井守のような感じで、物語をしっかり追わせるものではない予感がしてたけど、ある意味では当たっていてある意味では外れていた。
作品中のモチーフについては既に色んな考察があるようだけど、抽象的な要素が多いファンタジーであまり答えを出そうとするのは好きじゃない。それよか、戦時中の日本から始まる冒険ファンタジーのような要素を見て、火災の中を走り回るシーンとか鳥が群がるシーンとか、ああいう表現をやってみたかったのかなとまず思った。
冒頭から見れば『風立ちぬ』を思わせるけど、戦時中を描きたかった訳ではないように見える。まるで魔法が使えるあの世のような世界は『ハウル』っぽさもあるし、わらわらを見ていると『もののけ姫』の要素も感じるけど、「君たちはどう生きるか」という主題に繋がる部分は感じにくい。大筋の展開として、現実で嫌なことがあって逃げたいと思っていた主人公が、最後に汚くとも元の世界に戻ってきたのを見ると、『千と千尋』に近い映画だったんではと思った。
一応、自分なりに考察も考えてみると、積み木を積んでる大叔父は宮崎監督自身にも見えなくはなくて、その後継者をどうするかという話のように解釈すると結構面白いんじゃないかと思った。
