このレビューはネタバレを含みます
冒頭の火事の描写が凄い。
あれだけでも映画館で観た価値はある。
もと居たひどい世界に帰るのか、と大叔父さんは聞くけれど、大叔父さんが石と契約して作った世界も、人が作った世界だから歪だ。
たとえ善意の石だけをつみ上げたとしても。
無理やり連れてこられたペンギンは、魚が少ないからワラワラを食べる。
インコ達は人を食べ、増えすぎている。
本来の地球は絶妙なバランスで成り立っていて、人間はその一部だ。
唯一無二のその地球で、悪意や善意にまみれて、選んでつかみ取って生きるしかない。
といったことを伝えたかったのかなぁ、と思うけど、あのお年になっても母を追い求める物語を書くのかと心底びっくりした。
出てくる父親は現実的で即物的なのに、母親は気高く尊く美しい。