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シティーハンターのdiesixxのネタバレレビュー・内容・結末

シティーハンター(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

意外にも国内での実写化は初めて。2.5枚目の絶妙なバランスを取りながら、ちゃんとセクシーで、なおかつ高度な身体能力も要求される冴羽リョウという役柄が、鈴木亮平という最高の体現者を得てついに命を得た。アニメ版の神谷明のイメージも強いが、おちゃらけているときの演技はほぼそのまま。もっこりダンスの馬鹿馬鹿しさとうつくしさ…ちょっと鈴木亮平以外に考えられない。相棒の槇村香には森田望智。この人の引き出しの多さにも驚くばかりである。
キャスティングだけで大した達成とおもうが、加えて新宿を舞台とした探偵映画としての完成度の高さである。キャバ嬢とホスト、ドラァグクイーン、トー横キッズ、怪しい客引きに外国人たちが雑居する歌舞伎町を、冴羽リョウが闊歩するという幸福感。少女を追いかけながら、バーで新しい女の子をナンパし、2丁目ママに「ちゃんとお金持って飲みきてよー」と見送られる…短い場面のこの「新宿を生きている探偵」感がうれしい。
ローションマットごと「下品なアラジン」と化したり(この場面、セリフで説明でなく「ア・ホール・ニュー・ワールド」を流すだけならスマートだった)、コスプレイベントでバトルしたりと輸出を意識したジャパニーズカルチャー描写も楽しい。ラストのGet Wildに至るまで、ツボを押さえたほぼ完璧な実写版といえそう。
十分楽しんだが、新宿を舞台に開かれていた前半からどんどん話のスケールが狭まっていったことを含め尻すぼみ感はあった。ラスボスもなんか小物感あったし(てっきり杉本哲太が黒幕かと)、ルックの安っぽさも毎度ながら苦しい。ドラマシリーズでやって欲しかったかな。続編に期待。
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