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ぼく モグラ キツネ 馬の郵便機のレビュー・感想・評価

ぼく モグラ キツネ 馬(2022年製作の映画)
3.8
おぉぉぉぉーー『詩とメルヘン』やなぁ〜せたかし

来月3月末から朝ドラ「あんぱん」がはじまる。
あのアンパンマンの生みの親、やなせたかし夫婦がモデルのドラマ。

現在放映中の「おむすび」は、主人公が一足飛びに管理栄養士になってしまって、ここから先の物語ののびしろが無くなってしまった感もあり、気持ちは早くも次の「あんぱん」へ💦

そうそう、やなせたかしというと、長らく彼が編集長をやっていた雑誌「詩とメルヘン」を思い出す。

ひと頃、自分も購読者のひとりで、読者から詩を募集していたので応募したこともある(言うまでもなく採用はされてない💦)
大判サイズの雑誌で、いろんな作家の絵と詩が楽しみだった。

その雑誌で、葉祥明という画家を知る。

彼の画風を言葉で説明するのは難しいが、彼の絵のなかにはみえない言葉がたくさんみえてくる。

だだっ広い草原の、ずっとずっと遠いむこうに、小さな小さな家や、針葉樹のような一本の木や、自転車がぽつんとある。

雑誌の付録のポスターを部屋の壁にはっては、ぼーっと眺めていた(画集も購入した)

葉祥明、いいですよね。

本作の冒頭シーン、白い雪原のなか、少年が最初小さな点で、ゆっくりとアップされていき、それが少年とわかるまで時間がかかる。

葉祥明の一枚の絵を彷彿とするような、なんとも味わい深い構図。

雪と少年(ぼく)ひとり。

けれどもそこにはみえない言葉がたくさんみえてくる。

モグラと出逢う。
少年は迷ったという。

少年はどこで何をしていて、どうして迷ったのか、いっさい説明がない。
ただ迷ってる。

人生って、えてしてそういうものかもしれないというメタファーを読み取る。

少年はモグラと歩いていくうちに、キツネ、馬と出逢う。

桃太郎のような、きびだんごにつられてお供する利害関係で結ばれた動物たちと違って、彼らは自然に一緒になって歩き出す(犬猿キジさん🙇🏻)

静けさのなか、ときおり、互いに質問をしあい、互いを確認しあう。

互いに互いを認め合い、自分自身を自分が認める。
一緒にいることが嬉しいという思い。

==

ベストセラーとなった絵本のほうが多少会話は多いが、おおむねこの作品と同じトーン、同じリズムで進行する。

「ぼく モグラ キツネ 馬」
原題:The Boy, the Mole, the Fox and the Horse

よくよくみると、彼らを指す単語のすべてに"O"の字が入ってる。
そして、物語のラストで彼らが気付く居場所は、"home"

おぉぉぉぉーー😆(しめて"O"五つ)

『詩とメルヘン』やなぁ〜せたかし

は、「あんぱん」のレビュータイトルにも使う予定(なんの告知?笑)
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