世評は芳しくないけれど面白かった。
昨年トレーラーを観ている。アルゼンチン/ウルグアイ映画というのはなかなか珍しい。Amazonはこういうマイナーで買付コストが低そうな作品で見放題本数を稼いでいるフシがある。
"ゾンビがちファン勢" には不満が多いらしい。曰く「ウイルスの正体と "32秒間の賢者タイム" の詳細が不明」というのがお気に召さないポイントのようだ。きっと "何でも絶対に説明が欲しい症候群" なのだろう。
ウルグアイの首都モンテビデオで感染すると凶暴化して生物を虐殺しまくるという謎のウイルスのパンデミックが起こる。普通のゾンビもののような感染経路とは違うようだし、「ワールド・ウォーZ」の逆パターンなひとしきり暴れた後に来る活動休止期間な "賢者タイム" は謎すぎて確かにずっとモヤっとはする。
まあ、ツッコミどころには違いないけれど、エンタメフィクションの設定なのだから "細かなことは気にしない精神" で楽しむのが吉だろう。
廃墟のような大型スポーツジムを舞台に警備員の母親がはぐれた幼い娘を必死で救出しようとするお話。よくあるゾンビホラーやまるでゲームみたいで新味はないけれど、見慣れたハリウッドもの、ハリウッド流コンプラとは少し異なるエキゾチックな感じがどこか新鮮で良かった。
ゾンビは感染前の意識、知能が微かに残る系⁉︎で動きが良い。で、カメラワークが凝っていて大体はヒロイン目線だけど、ちょこちょこヒロインだけ危機に気付かないシーンが挟まれるものだから「志村、後ろ、後ろ!」が楽しめる。
90分という気軽に観やすい尺だし、続編作りたいなぁなエンディングも後を引く。いずれそのうちトレーラーで再会することがあれば、迷わずまた観るだろう。