大林版とは全然違うけど、これはこれで良い。
大林版が怪異に出逢いつつも、最終的に待つのが癒しなら、こちらは怪異の中で過去と向き合い人との触れ合いを思い出す旅。前者が常にどこか懐かしい感じだったのは、日本人、江戸っ子として当然として、後者は終始ヒリヒリとしているように感じたのだけど、イギリス人的にはあそこに懐かしさもあるのかも？
強いていえば、幻の様な父の背を追っての辺りは、寄席は無理としても、もう少し気の利いた演出が出来なかったかとは思った。
主演のアンドリュー・スコットはドラマ『SHERLOCK』でのモリアーティの印象が強いが、味のある人だな、と改めて。
助演は『aftersun』で強い印象を残したポール・メスカルで、役柄も少し似ている。線が細く繊細で病みがちな感じがとても似合う。胸元をずっと手持ち無沙汰に摩っているのが、不安な状態が出ていた。
思い起こすと、キャストが主要の4人だけなんだな。ウェイトレスとか電車の乗客とか、モブはいるけれど。シンプル。
