3部に渡る4時間の長丁場。途中休憩が2回。
結論、観といて損はなかった。
イオセリアーニ監督が1994年のジョージア内戦を目にして祖国を思って制作したドキュメンタリー映画の大作。
ジョージア🇬🇪の歴史を、バレエ、オペラ、ワイン🍷、ジョージア映画の名作と芸術と文化と絡めて歴史を振り返る。
「ゲオルギア」は、コーカサス地方の国家ジョージア🇬🇪の現地語で呼称。
もともとは、グルジアだったが、ロシア語での呼び方なので、英語での呼び方に改称。
シルクロードの交易の中心地として発展し、その地政学的な位置故に常に大国の争いに巻き込まれる抑圧されてきた。
一方で、コーカサス地域の少数民族の難民やユダヤ人も受け入れて来た経緯もある。
このコーカサス地域の少数民族がソ連が崩壊後のジョージア🇬🇪で紛争を残すことになる。
そして、なんと言っても1000万人も粛清したと言われるソ連の独裁者スターリンの出身国でもある。
ソ連崩壊後、独立を果たすが政治思想の対立で争いが起き、その空白地帯に少数民族の独立問題が浮上する。
イスラームを信仰する少数民族アブハジアとの戦争の最中では、現地に住むジョージア人🇬🇪が虐殺された姿が3部で、ナレーションとともに凄惨に映し出されている。
ロシア🇷🇺もこの地域の地政学的メリットから手放したくはなくこの地域に介入する。
このアブハジアを舞台とした映画は、ジョージア🇬🇪とエストニア🇪🇪合作の紛争下で暮らすみかん🍊農家のエストニア人を描いた『みかんの丘』でも映画になっている。
ちなみに、2部からインタビューに登場するグルジア内戦終結の功労者でもあるシェヴァルドナゼは1995年からジョージア🇬🇪の大統領として安定をもたらしたものの、晩年は経済停滞と汚職の蔓延から国民に反発を招いて、2003年のバラ革命で追放される。
結果てきに、ジョージア🇬🇪が本当の意味で、新欧米と舵を切り、汚職の撲滅と経済成長へ進む出来事になった。
イオセリアーニ監督の作品はもちろんだけど、ジョージア🇬🇪映画を観る上でとても欠かせない入門的な映画だった。