いかえもん

丘の上の本屋さんのいかえもんのレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
4.0
イタリアのとある古本屋さんの店主リベロと移民の子エシエンとの本を通した友情を描いている。

久しぶりにこういうさらりとした何気ない日常の小さな出会いと別れを描いたヨーロッパの映画を観て、やっぱこういう映画もいいなぁとしみじみ思った。
登場人物はみんなきっとそんなに裕福ではなくて、病気やら生活やらいろんなものを抱えながら、誰かとの出会いや小さな喜びを糧に毎日を生きている。本が大好きなエシエンに、古本の中からリベロお勧めの本を貸してあげるというちょっとわくわくするつながりがいい。最初は漫画、そして童話、段々難しい本になるけれど、どんどん読んで世界を広げていくエシエン。それを温かく見守るリベロ。別れは唐突に訪れるけど、エシエンが得たものは大きかったと思う。
シンプルにいいお話だった。