鍛治のロワイヤル

丘の上の本屋さんの鍛治のロワイヤルのレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
4.0
イタリアの最も美しい村のひとつといわれるチビテッラ・デル・トロントを舞台に、古書店を営む老人とアフリカからの難民の少年の交流を描く。

豊富な本への知識と愛情を持つ老人は、ひと癖ありげな客にもスマートに応じ、作品は終始穏やかで暖かい空気で満たされていて、現実のぎすぎすした世相からするとおとぎ話のように感じました。
本を買うお金がない難民の少年に施しをするのではなく、本から知識や考える力を与えようとする老人。
年齢や人種を超えた友情とその結末がニュー・シネマ・パラダイスを彷彿とさせて、切なくも暖かい気持ちになれた。
日記の中の1950年代にアメリカへ旅立った女性の心情と現代の難民少年がさりげなく対比になっているのも良いです。

原題と邦題がかなり乖離してるけど、僕は前述したようにこの映画をほっこりするおとぎ話と捉えたいし、とっつき易さからも邦題の方がいいなと思います。
子供に本を読ませたい親御さんはこの映画を観せるといいかも知れない。

ところで、イタリアのエロい女性って、ホントにあんな歩き方してるんですかね(笑)