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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのsaranoのネタバレレビュー・内容・結末

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

びーーーーっくりするくらい日本画の話してて思わずにやついちゃった。日本画を学んでる者として。臙脂綿、膠、筆、棒絵の具。岸辺露伴がすごくニッチな画材を使ってくれて、私たちの世界に触れてくれてすごく嬉しかったな。誰も臙脂綿なんて知らんだろ。おもろい。

作品としては、ジョジョの奇妙さと不気味さが実写に違和感なく落とし込まれてて流石だと思った。ドラマから変わらず面白い。黒い絵も、ひとつの作品として凄く説得力の持った怨念のこもる画面になっていた。実際に呪われそうな力を持った絵をちゃんと使えるのはすごいことだと思う。いつも邦画は何だかちゃちいので。

ただ、少々絵を描くことに関する動機づけが安っぽかったかも。そこだけ気になった。あと本物といわれたフェルメール、全く本物の説得力がなかった。あれを岸辺露伴がリアリティがあるッ!って言い切るのは不自然だった。半分難癖だけど。
木村文乃さんの引き込まれるような怪しさ、美しさが半端ない。彼女の下宿してる時の様子が、まるでキョンキョンがやってた夢十夜の時のような、夢と現実が混ざり合う民話みたいで、夏目漱石っぽさを感じた。いい作品。また見に行く。
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